2. 大隈の居据り内閣
おおくまのいすわりないかく
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今回大隈伯に於かせられては、一旦辞表を提出せられたるにも拘らず、時局を拾収するに堪ふるものが他に無いからとの事で、内閣改造の上、再び元の如く居据られたのであるが、居据り内閣の御趣意が果して孔夫子の御志と同じで、大隈若し朝に在らずんば、仁義の政を如何せんとの御心情から来たものか何うか、この辺の処は今私より申し上ぐべき限りで無い。大隈伯には必ずや春秋に於ける政治家の如き御心情など、毛頭在らせられぬものと私は信ずる。
- デジタル版「実験論語処世談」(7) / 渋沢栄一
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底本:『渋沢栄一伝記資料』別巻第6(渋沢青淵記念財団竜門社, 1968.11)p.685-690
底本の記事タイトル:二〇〇 竜門雑誌 第三三一号 大正四年一二月 : 実験論語処世談(七) / 青淵先生
底本の親本:『竜門雑誌』第331号(竜門社, 1915.12)
初出誌:『実業之世界』第12巻第17号(実業之世界社, 1915.09.01)