8. 大西郷曰く、戦争が足らぬ
だいさいごういわく、せんそうがたらぬ
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私も三四回まで稿を改め、漸く御採用になつた文案でもあるのに、今更西郷公が判を捺して下さらぬとなれば折角の苦心も水泡に帰してしまふと思ふものだから、傍で見て居つても気が気でなく、早く西郷公が呍と曰つて判を捺して下されば可いのにと、モヂ〳〵して居つたが、西郷さんは如何しても判を捺かれず、これが為其奏請文案も遂に御流れになつてしまつたのである。
- デジタル版「実験論語処世談」(6) / 渋沢栄一
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底本:『渋沢栄一伝記資料』別巻第6(渋沢青淵記念財団竜門社, 1968.11)p.677-685
底本の記事タイトル:一九九 竜門雑誌 第三三〇号 大正四年一一月 : 実験論語処世談(六) / 青淵先生
底本の親本:『竜門雑誌』第330号(竜門社, 1915.11)
初出誌:『実業之世界』第12巻第16号(実業之世界社, 1915.08.15)