15. 伊藤博文の争ひ振り
いとうはくぶんのあらそいぶり
(11)-15
伊藤公の議論は総て論理で築きあげたもので、この手が対手を説服し得ぬ時には他の手で説服するといつたやうな具合に、四方八方から論理づくめで、ピシピシと攻め寄せて来られたものである。その上、伊藤公の議論には必ず古今東西の例証を沢山に引照せられるのを例としたものである。その博引傍証には、一度伊藤公と議論を上下した者は誰でもみな驚かされたものである。
- デジタル版「実験論語処世談」(11) / 渋沢栄一
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底本:『渋沢栄一伝記資料』別巻第7(渋沢青淵記念財団竜門社, 1969.05)p.22-30
底本の記事タイトル:二〇七 竜門雑誌 第三三五号 大正五年四月 : 実験論語処世談(一一) / 青淵先生
底本の親本:『竜門雑誌』第335号(竜門社, 1916.04)
初出誌:『実業之世界』第12巻第24,25号,第13巻第1号(実業之世界社, 1915.12.01,12.15,1916.01.01)